第177回 ライヴレポート編 JOURNEY ―― 全盛期ふたたび!不死鳥JOURNEYのグレイテストヒッツ・ライヴ!

前の週に観たGUNS N’ ROSESのライヴの余韻がまだ冷めやらぬ2月6日、日本武道館でJOURNEYのライヴを観てきました! 70年代から活動を続けている大ベテランのJOURNEYはもう何度も来日しているけど、俺が彼らのライヴを観るのは今回が初めて。映画『ドント・ストップ・ビリーヴィン』を観て大ファンになったアーネル・ピネダの歌声を生で聴くのも、もちろんこれが初めてです。いやもう、初めてロックコンサートを観る少年かのように、ワクワクしながら武道館に向かいました。


journey_live.jpg

この日の武道館はソールドアウトだったんじゃないかな? 月曜日だというのに、3階席の天井に近いところまで観客でぎっしり。ステージ横の大きなモニターに映されるJOURNEYクイズの答えを考えつつ開演を待っていると、19時ちょうどに客電が落ち、青いサーチライトに照らされたメンバー達がステージに登場! 今回のツアーでは、アーネル、ニール・ショーン(G)、ロス・ヴァロリー(B)、ジョナサン・ケイン(Key,G)に加えて、全盛期のメンバーだったスティーヴ・スミス(Dr)も復帰。大歓声の中、聴こえてきたのはジョナサンが奏でるあの名フレーズ……『Separate Ways (Worlds Apart)』だ! 最近のセットリストを見て予想はしていたものの、1曲目から惜しげもなくこんな代表曲が登場するとは……! バンドの演奏はレコードよりもハードかつタイトで、楽曲のドラマティックさがより際立っている印象。そして、アーネルのヴォーカル……、その深みのある歌声はやはりライヴでも素晴らしい!

『Separate Ways (Worlds Apart)』
今回のオープニング曲をアーネルのマニラ凱旋ライヴから!

爽やかな感動を呼ぶ『Be Good to Yourself』、『Only the Young』に続いてニールのギターソロ。ドラマティックなキーボードをバックに、エモーショナルなギターを会場中に響き渡らせる。以前JOURNEYでのニールは大人しめ……なんて書いたけど、撤回します! ライヴではこんなに弾く人だったのね。『Anyway You Want it』では会場中を巻き込んでの大合唱が巻き起こった。アーネルは今年50歳になるはずだけど、ステージ上を駆け回って歌う姿はとても若々しく、遠目には20代ぐらいにしか見えない。しかし、観客を一瞬で掌握する見事なフロントマンぶりはベテランの風格十分だ。なんだか新人のようなイメージをいまだに持っていたけど、アーネルがJOURNEYに加入してもう10年になるんだよね。バンドとの関係も良好なようで、メンバーとじゃれあったり、ギターソロ前のニールと笑顔で拳を合わせたり……。そんな姿を見るとこちらも嬉しくなってくる。

『Faithfully』
同じくマニラのライヴより。
アーネルのヴォーカルはスティーヴ・ペリーにも負けてないよね。

「コンバンハ、トーキョー!」アーネルの日本語に、会場中から大きな歓声があがった。ニールのブルージーなギターをフィーチャーしたインストゥルメンタルに続いて、「きみたちをサンフランシスコに連れて行くよ」と始まったのは『Lights』。スマートフォンのライトが会場中に灯り、ロマンティックな楽曲を幻想的に彩る。そして、ジョナサンのピアノソロに続いてプレイされたのは、名バラード『Open Arms』! 素晴らしい歌唱と素晴らしい演奏に、溜め息のような歓声と、惜しみない拍手が送られた。

JOURNEYのハードな一面を見せる『Chain Reaction』では、サポートメンバーのキーボーディストがヴォーカルを担当。なぜかこのメンバーの紹介はとくに無く、なんでアーネルが歌わなかったのかもよくわからず……。「マシンガン」の通り名を持つスティーヴの手数の多いドラムソロに続いて、またもニールの長めのソロ。もちろん凄い演奏なんだけど、ちょっと弾き過ぎな感も否めないなあ。JOURNEYがもともとインストゥルメンタル主体のバンドだったことを思えば、こうやって楽器のソロやジャムが多いのは当然なのかもしれないけど、もうちょっとアーネルの歌が聴きたい……と思ったのは、俺だけじゃないのでは。しかし、続く『Wheel in the Sky』、『Faithfully』では十分にアーネルの歌を堪能。とくに『Faithfully』での歌唱は鳥肌が立つほど素晴らしかった。

本編ラストは『Don’t Stop Believin’』。80年代のJOURNEYのみならず、現在のJOURNEYをも象徴するこの名曲は、やはり心に響く……。伸ばしに伸ばしたエンディングでライヴは一旦終了。そして、アンコールに応えてバンドが演奏したのは、インストゥルメンタル主体の『La Raza del Sol』と、オリジナルバージョンよりジャムセッションが長い『Lovin’, Touchin’, Squeezin’』。個人的には『Don’t Stop Believin’』で締めたほうがより感動的だったのでは、と思ったけど、本来アンコールはあくまで「おまけ」なわけで、バンドが楽しそうに演奏をしているのを観られただけでもいいのかもね。

『Don’t Stop Believin’』
ファン撮影の2月6日の動画。
この日の会場の盛り上がりがよくわかってもらえるのでは?!

武道館という会場のせいもあり、サウンド面ではとても満足が出来るものではなかったし、アーネルの歌よりもバンドの演奏が前面に出てきていたのは予想外だったけど、それでもベテランミュージシャンの巧みな演奏を堪能出来た素晴らしいライヴだった。バンドの状態の良さもひしひしと伝わってきたから、このラインナップがこのまま続くのでは、という予感がしている。次はまた3年後? そんなに待っていられないなあ。一日も早くまた観たいぞ!

2/6 日本武道館 セットリスト

1. Separate Ways (Worlds Apart)
2. Be Good to Yourself
3. Only the Young
4. Neal Schon Guitar Solo〜Stone in Love
5. Any Way You Want It
6. Instrumental (Feat. Neal Schon)
7. Lights
8. Jonathan Cain Piano Solo〜Open Arms
9. Who’s Crying Now
10. Chain Reaction
11. La Do Da〜Steve Smith Drum Solo
12. Neal Schon Guitar Solo〜Wheel in the Sky
13. Faithfully
14. Don’t Stop Believin’

En
1. La Raza del Sol
2. Lovin’, Touchin’, Squeezin’

※ikkieがなんと「出張ギター教室」を始めてしまいました!
とにかくここから アクセス! 動画もあるよん。
http://dokodemoguitar.com/