Laos-Climbing2016-[V]

2016年12月7日
2016年度版になって新しく紹介されている5エリアのうち2ヵ所は行ってみた。
では、昨年やってなかったマルチを今回はやってみようということになった。

【トライルート】
34.Fliying circusエリア

3.Shadow of the Wall マルチピッチ3pitches
・1p.5b 25m
・2p.5b 34m
・3p.6a 36m
34.Good Memoriesエリア
4.Wolli 5c+ 23m 11bolst

Shadow of theWallは最終ピッチが二手に分かれていて一方は6c33m。
「どっちにします?」
って、決まってますがな。マルチなんだから6aで十分。

Laosトポ2016年版には各エリアの日射状況一覧が掲載されている。それによるとFliying circusは「from late noon」でありGood Memorieは「afternoon/all day」となっている。ということでゆっくり朝食を摂ってからでかけ取り付き点には11:00ほどに到着した。
が…
なんと取り付から上部まで壁はギンギラギンに陽が当たっている。
「今登ったら焼肉になっちゃいますよ」「少し待った方がいいですね」
少しでも日陰になりそうな灌木の影を選んでザックを枕に一休みを決め込んだんだが、うとうと微睡み1時間半ほどが経って、ようやく我に返った。

datin170126_01.jpg3ピッチのマルチなのに1ピッチが恐ろしく長いから高度感はたっぷり。GCHのバンガローが遥かに小さく見える。こうしてみると、このあたり穀倉地帯なんだと改めて識る。
陽が回ったとはいえ、トータル100m近いクライミングは体力を消耗する。
暑いしね〜
最終ピッチの6aはなかなかしんどかった。

Fliying circusマルチを終えてエリアから降り始めてすぐのGood Memoriesエリアにさしかかると「これ1本やっていきましょうか」となった。
既に「おなか一杯」な感じでもあったが、5c+だからクールダウンにいいかもと思ったんだが…
「久しぶりにリードしてみますか?」
と篠原ガイドから促され「え、まじ?」と思いながらも挑戦してみた。5c+とはいえ、23m11boltsの長いルート。しかもマルチの後。なかなかハード&スリル!!
Wolli 5c+ …OS!(9以上、10a未満?)

実は篠原ガイドは最初からマルチの後はこれを登ると目論んでいた。トポ本には次のようなコメントがつけられている。
A good rout for good memories of our firend Wolfgang R.
トポ本の最後のRはなぜGではないのか謎だが(誤植?)、このルートは間違いなくギュリッヒにささげられたルートだろう。
ネット検索によると…
――伝説のクライマー、ヴォルフガング・ギュリッヒ(1960年10月24日ドイツ生れ)は、1991年8月に世界初めて、当時、最高難度のAction Directアクシオン・ディレクト9a(5.14d)を初登したことで知られている。
ギュリッヒは、その1年後の1992年8月29日にドイツのミュンヘンとニュルンベルクの間のアウトバーンを走行中、車がスピンして意識不明の重傷を負い、2日後にインゴルシュタット(ドイツ南東部バイエルン州のドナウ川に臨む都市)の病院で、意識が戻らぬままに31歳の若さで息を引き取ったという。 アクシオン・ディレクトは、長きに渡って世界最難ルートとして君臨し、世界のトップクライマーが一度は挑んでいるベンチマーク的存在。出だしの1本指ランジで撃退されているクライマーも多い。
ギュリッヒは1988年、ニュルンベルグのキャンパス・センター (キャンパス・ボードという名前はここに由来する) というジムに、最初の「キャンパス」ボードを設置した。 彼のプロジェクトだったアクシオン・ディレクトという極限の指の力を必要とするルート専用のトレーニングをするためだった。 ――

GCHがドイツ人夫妻の運営であることからも、ドイツのあるいは世界のレジェンドクライマー・ギュリッヒへの思いが深いのだろうと推測される。篠原ガイドはマルチルートのページの1ページ前に目を通していてWolliルートのコメントも予習済みだったのだ。

ま、私がWolliの記述を前以て見ていたとしても、Wolfgang Rって?だったろうが…

datin170126_02.jpg篠原ガイドの勧めでこのルートがオンサイトできて、ほんとに『良かった!!!

datin170126_03.jpg*付記グレードはフレンチグレード。USA規格だと…
5c→ 5.9/6a→10a/6a+→10b/6b→10c/dとなる。
*時間経過で記憶違いなどによる記述内容とルート名との齟齬が生じている場合があります。