このところ、なんだか悲しいニュースばかりが聞こえてくるような印象ですが、嬉しいニュースも少しずつ増えてきているような気もします。スラッシュとダフ・マッケイガンがGUNS N’ ROSESに復帰したり、ずっと音沙汰のなかったジョン・サイクスが活動を再開したり……メンバー間で裁判沙汰になっていたRATTも、問題を起こしたメンバーを抜いての再結成が実現した。俺が学生時代に夢中になったアーティスト達が、ここ最近は80年代と変わらないくらいに精力的に活動しているんだよね。以前ほどCDが売れなくなった現在、アーティスト達の活動がライヴ中心にシフトしていて、もともとライヴこそが主戦場だったHR/HM系のアーティスト達にとってプラスに作用しているんじゃないか、と予想しているんだけど、どうだろう? ライヴの動員も増えているようだし、当たらずとも遠からず、じゃないかな。さて、そんな(俺が学生時代に夢中になった)アーティスト達が一堂に会すフェスがここ日本で行われます。その名も「L.A. METAL SUMMIT in TOKYO」! いやもう、この何年かで一番嬉しかった……は、ちょっと言い過ぎだけど、小躍りしちゃうぐらい嬉しかった。だって、観たいアーティストばっかりなんだもん。
5月13日と14日の2日間に渡って幕張メッセで行われるLAメタルサミットのラインナップは、初日が元MÖTLEY CRÜEのヴィンス・ニールをヘッドライナーに、CINDERELLAのトム・キーファー、L.A. GUNSとFASTER PUSSYCAT。2日目はRATTがヘッドライナーで、元SKID ROWのセバスチャン・バック、SLAUGHTER、ENUFF Z’ NUFFの出演が決まっている。一応「and more」との記載はあるけど、DJで音楽評論家の伊藤政則氏によると、これ以上は決まらないとのこと。まあ、4バンドずつでも十分! 半分ぐらいLAメタルじゃないけどOK! こういうラインナップのフェスが観たかったのよ。アメリカやヨーロッパでは「ROCKLAHOMA」や「M3 ROCK FESTIVAL」といった今回のようなラインナップのフェスが毎年開催されていたから、こういうのを日本でもやってほしい……と、ずっと思っていたんだよね。
L.A. GUNS 『One More Reason』
退廃的という言葉がぴったりのL.A. GUNS。
この曲、高校の文化祭で演ったなあ。歌も歌いました。
LAメタルとは何ぞや? というのは以前の用語解説編を読んでいただくとして、今回のラインナップで誰がLAメタルなのかを一応書いておくと、ヴィンス・ニール、L.A. GUNS、FASTER PUSSYCAT、RATT、SLAUGHTERの5組がいわゆるLAメタルで、トム・キーファーやセバスチャン・バック、ENUFF Z’ NUFFはLAメタルではありません。彼らは東海岸やシカゴを拠点に活動をしていたから、同じ系統ではあってもLAメタルではないんだよね。まあ、そもそも海外にはLAメタルという言葉はなくて、80年代のHR/HMバンドの多くが髪の毛を大きくふくらませていたことから、地域に関係なく「ヘアーメタル」と呼ばれているらしく、「HAIR NATION」なんていうフェスも開催されています。ヘアーメタルなんてあんまりいい言葉だとは思わないけど、そのくくりで言うなら今回のアーティスト達はすべてそこに含まれるわけで、ファン層だって被っている。もう、俺なんかは大歓迎なわけですよ。
FASTER PUSSYCAT 『Poison Ivy』
デビューアルバムは演奏がかなりやばかったけど、この曲が収録されたセカンドアルバムは名盤です。
来日ライヴも観に行ったよ。
去年初めて観に行ったラウドパークで、フェスも楽しいもんだなあ、と思ったけど、それはあくまで前回のラウドパークが楽しかったわけで、まだ“フェス”を好きになったわけじゃない。俺が重視するのはやっぱり出演者……まあ、観る側も主催者側も当然そうだろうけど、フジロックやサマーソニックが好きな人の中には、フェスそのものを楽しみにしている人も多い気がする。誰が出ようが行く、みたいな。もちろんそれが悪いとは思っていないし、そういう楽しみ方もありだと思うけど、例えば目当てのアーティストが一組か二組しかいなかったとすると、その一組か二組かだけを観に行くにはチケット代が高い、と思ってしまう。俺は“どうせなら単独ライヴでじっくり観たい派”です。同じように思っている人って結構いるんじゃないかなあ。
SLAUGHTER 『Up All Night』
LAの顔役、デイナ・ストラム(B)が結成したバンド。
当時はマーク・スローターのヴォーカルがあんまり好みじゃなかったけど、
今聴くとカッコいいね。ロバート・プラントっぽい。
でもLAメタルサミットは違う! 出演アーティストのうちの半分を音楽総研で書いていることでもわかってもらえると思うけど、本当に観たいアーティストばっかりなんだもの。現在もチャートを賑わせているような新進気鋭のアーティストは出ないかもしれない。それでも、彼らは今またあの頃のように精力的に活動している。動画サイトで観る限り、見た目は少々老けていても音楽的には衰えていないし、円熟味すら加わって以前よりも凄みが増しているほど。そして何より、俺が夢中で聴いていたのは“ここ”なんだよね……というところで文字数が足りなくなっちゃった。次回はそれぞれのアーティストを紹介しようかな。乞うご期待!
※ikkieがなんと「出張ギター教室」を始めてしまいました!
とにかくここから アクセス! 動画もあるよん。
http://dokodemoguitar.com/