【トライルート】
13.VALLE DI COGNEエリア
17.CASATA DI LILLAZ.250m(P72) 3P
2017年2月6日
イタリアアイス2日目。
昨日とは打って変わっていい天気!アイス日和だ!!
「マルチピッチがいいね」ってことで現地ガイド・ニコラスの住まいのあるコーニュ谷の奥へ。
画像からも見ての通り、登るにおおよそ3ルートをたどるとわかる。ニコラスと男性2名は最も右のルート行った。篠原ガイドと私(もう一人の女性は風邪気味で1日レスト)直登ルート。画像では赤いヤッケのクライマーが登っている。
右下の青いヤッケのクライマーは右から取り付いて、先行が大きく左へ弱点を突いて上がっているのを追うだろう。
篠原ガイドは今から支点回収して登ろうとしている青いヤッケのクライマーがいるところ、すなわちビレー点構築地点を目指して、緩やかな二つのコブの間を登って行った。
「どーぞ」のコールがかかる。
続いて緩やかなコブの間を登ろうとして1手2手進めた時、ちょうど赤ヤッケの地点、一段上を水色ヤッケの女性クライマーが登っていた。ハング超えをしようとして難儀している。嫌な感じ!
「イッテーッ!!!」
思わず大声を出してしまった。水色ヤッケの女性が落氷したのが、右前腕側部に当たった。
一瞬、1年前の悪夢が蘇る!
*2016年2月い参加したカナダアイスクライミング山行で、最終日のマルチピッチ、最終ピッチ基部で落氷を受け傷の中外合わせて13針縫合している>
「真ん中来ないで、右上がってください」
幸い、痛くはあったが「ぜんぜん平気です!」だったから、右のコブを上がってビレー地点へ着いた。トラバースしている最中にも落氷が脇をかすめていく。こわー!!!
1度落とす人は何度でも落とす。「落とさない」意識がないから。というより手前が登るのでいっぱいいっぱいで、他のことを考えて打つ蹴るの適切なところを見極めるゆとりがないのだ。
どっかん、どっかん落とす。
クワバラクワバラ!
たんびに穴に潜るようにしてやり過ごす。
画像で見るとどうってことないが、上がっていくとそこそこハングしている。しっかりした棚の下は奥にえぐれていて、上り口は氷が薄く脇は細いツララのようなのがシャンデリア状態に下がっている。
なるほど〜
ゆとり無くなるかもね〜ムズそうね〜
「落とさないように慎重にね〜」
棚上にアックスを打ったら、引きと反作用が効く角度で足をそっと置いて体を上げる。で、棚の少し奥に打って、足を置いて体を上げると、もう棚の上に乗っ越せる!
面白かった〜
短いなめた滝を登るって雪斜面を右上すると、橋に繋がる歩き道に出る。
終了〜!
ところで、「足先ポカポカの話しだが…
この「強い味方」があったればこそ、イタリア滞在中ほとんどのアイスのシーンでフルートブーツで事に当たった。
通常アイスクライミングをする際は雪山登山靴に縦爪アイゼンを装着するのだが、靴とアイゼンが一体になったスタイルのフルートブーツというのがある。利点としては登山靴に比べて断然に軽くてコンパクト。従って足裏面と氷接触面との距離が段ちに短い。つまり
もともと競技用に開発されたものだが、私のように非力な者にとっては、相当にアドバジテジになる優れものというわけだ。 ただ、弱点もある。靴底が薄い分足先が冷たい。雪道を歩くには不適切、雪が靴裏に団子になって付き、高下駄状態で歩きにくい。
しかーし…
このポカポカは一度やったら、やめられない。アプローチには雪靴をはいて、フルートブーツは背中に背負って歩かなければならないとしても、シングルピッチだろうが、マルチピッチだろうが、足先さえポカポカならフルートブーツが、その機動性から言って最高に快適。
ということを、実はイタリアに来る前にテスト済みだった。
テスト詳細は次回!!!
っつことで、2月6日のアオスタ・イタリア晩めし!