第6回 従来比6倍麻(まー)な本格派花山椒と豆板醤で火鍋にチャレンジ

我が家では定期的に火鍋を作って楽しんでいる。火鍋は中国料理の一つで、広くアジアで食べられている鍋料理だ。もちろん日本にも専門店がたくさんあり、手頃なしゃぶしゃぶ屋でも火鍋を置いているところは多い。

それぞれの地方でレシピは異なるので、材料が決まっているわけではない。ネットには多数のレシピが公開されているので、すぐに見つかるだろう。我が家は辛いのが好きなので、唐辛子はキロ単位で買っている。

何度も作っているので相当美味しいレベルになっているのだが、どうも専門店の味が出ない。これは花山椒と豆板醤がスーパーで売っている品だからなのか?と考え、本格っぽい商品を扱っているショップを探してみる。「三明物産」という通販サイトを見たところ、なかなか本格的。豆板醤の「家常豆瓣醤」は家に常にある豆板醤という意味で、四川省もの。熟成期間は短いが、その分リーズナブル。火鍋は信じられないくらいの豆板醤を使うので、嬉しいところ。花山椒は「四川漢源花椒ホール」で、同じく四川もの。びりびりとしびれる「麻(マー)」を出すのに外せない調味料だ。工場は河南省にあると言う。注文している時点でよだれが垂れてきた。

bimi6_001.jpg▲「三明物産」のウェブサイト。もちろん日本語で、いろいろと詳しい情報が載っている。

bimi6_002.jpg▲「四川漢源花椒ホール」。四川料理には四川漢源花椒がなくてはならない、とまで書かれては買うしかない。

bimi6_003.jpg▲家常と名前に付くくらい、各家庭にある豆板醤。これも楽しみ。

bimi6_004.JPG▲実物到着。「四川漢源花椒ホール(四川産山椒)」は1836円

bimi6_005.JPG▲「家常豆瓣醤」は1kgで1620円

せっかくの本格材料なので、ホームパーティを開くことにした。とは言え、その前に練習しておくのがおもてなし。商品到着後、すぐにチャレンジしてみる。

材料は、花椒、豆板醤、唐辛子、味噌、ごま油、五香粉、オイスターソースといった調味料に、ニンニク、ショウガ、ネギ。それに野菜や肉といったメインの食材があればOK。

いつも作っているレシピ通りに作ってみる。花山椒はホールできているのでミルで引いてみたが、うちのが安物だからかホールが柔らかいからかあまりスムーズに出ない。大さじ何杯も使うので、ブレンダーで粉々にした。とてもよい香りがする。あ、本格中国料理屋の匂いだ。これは期待できそう。

bimi6_006.JPG▲まずは材料を揃えよう。中華料理は下準備をきっちりして、一気に作るのがコツ。

bimi6_007.jpgbimi6_008.JPG▲「四川漢源花椒ホール」を皿に出してみた。

bimi6_009.JPG▲ミルに入れて引いてもうまく出ない。

bimi6_010.JPG▲ブレンダーで粉々にする。

bimi6_011.JPG▲粉にしたら、とてもいい香りが漂ってきた

早速ごま油に山椒とニンニク、ショウガを入れて炒める。香りが立ってきたら、豆板醤や唐辛子、ネギなどを入れて炒める。その後水を入れて20〜30分ほど煮込む。これで準備完了。リビングに移動して鍋開始。

汁を絡めて肉を口に入れると、ぴりりと爽やかな刺激が広がる。今まで家で作っていた火鍋と全然違う! 凄い!と感動していたら、どんどん辛くなり、口の中がびりびりとしびれ始めた。2〜3皿はそれでもひーひー言いながら美味しく食べられたのだが、鍋半ばでギブアップ。辛すぎる。「辣(ラー)」ではなくて「麻(マー)」がやばい。結局、辛みなしの出汁を追加して薄めて食べた。ホームパーティ前に練習しておいてよかった。激辛党の我が家でこれなら、普通の人は絶対食べられない。

bimi6_012.JPG▲調味料を炒めて香りを出す。

bimi6_013.JPG▲豆板醤投入。想像以上に入れるが、手加減すると味のこくが薄まるので要注意。

bimi6_014.JPG▲残りの調味料も入れて炒める。

bimi6_015.JPG▲水を入れたら30分煮込む

bimi6_016.JPG▲鍋開始!

bimi6_017.JPG▲野菜もたっぷり用意

bimi6_018.JPG▲いただきます! うまい!え?いや、辛い!

bimi6_019.JPG▲辛すぎて水を追加・・・

さて、ホームパーティ当日。今日は失敗できない。分量は1.5倍だが、鷹の爪は2割増しくらいにしておく。そして、花山椒は大さじ4を6杯にすべきところを、なんと1杯に減量。今までに使っている花山椒より6杯くらい辛いとのジャッジゆえだ。

もう慣れたものなので、さくっと準備完了。8人呼んで乾杯! さて、お味の方は・・・・・・。

美味い! 花山椒を6分の1に抑えたので味が薄いかと思いきやそんなことはない。確かに筆者的にはもう少しあってもいいが、おそらく一般的にはぴったりの分量。皆さんも辛い辛い言いながら、美味しいとのことで、ガッツポーズ。筆者と同じくらい辛いのが好きな人がいたので、我々は花山椒を自前で追加しながらいただいた。

ほどよい刺激で肉がもりもり食べられる。ビールやハイボールをがぶがぶ飲んでもまったく酔わない。3台のエアコンを全開にしているのに、汗が出てくる。VIVA火鍋!

花山椒と豆板醤を本格なものに変えるだけで、店の味になるのでオススメ。ただし、くれぐれも入れすぎに注意。スーパーの品と同じ感覚で入れると、鍋を台無しにしかねない。ただし、美味く料理できればとても美味しい。辛党の人は、是非チャレンジしてみていただきたい。

bimi6_020b.jpg▲辛み控えで再チャレンジ

bimi6_021.JPG▲ホームパーティ開始! さてお味は・・・・・・満足していただけたようです!

ホームパーティには美味良品のライター陣をお呼びしたのですが、第5回のアンチョビキャベツを担当したナックル末吉さんから感想をいただきました!

火鍋の感想
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正直、辛いモノは苦手です。というのも、辛さのおかげで他の食材の味がわからなくなってしまうほど舌が麻痺してしまうから。そんなワタシですが、この火鍋は辛いけど旨い。正確には辛いというよりも香ばしいと行った方が的確かも。

山椒のスパイシーさが香ばしく、唐辛子の辛さに打ち勝っている感じ。山椒は食材との相性も良く、豚肉や野菜本来の美味しさを引き立ててくれる。実にクセになる風味と味わい。

「辛いのは苦手」と感じていたのは、実は唐辛子の辛さだったことに気づかせてくれたのがこの花山椒だ。辛いのが苦手な人でも花山椒の比率を多めにすれば、リピート確実になる火鍋だと思う。

■商品
「四川漢源花椒ホール(四川産山椒)」
「家常豆瓣醤」
http://www.sannmei.co.jp/product/

■販売元
三明物産株式会社
03-5245-3388
東京都江東区永代2-32-6 三明ビル
http://www.sannmei.co.jp/

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柳谷智宣(やなぎや とものり)

1972年生まれ。キャリア18年目のライターで、ジャンルはデジタル、ビジネス、グルメ、映画。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。ウイスキーの輸出入販売を手がける株式会社Tourbillon、現場向けゲーミフィケーションeラーニングシステムを開発する株式会社Levelingの代表取締役でもある。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)など。