こちらハニーポメロ。さっそく切ってみましよう人でも食べ物でも初めての出会いは、ちょっとワクワクするもの。
今年2012年、生まれて初めて出会った食べ物はHoney Pomelo(ハニーポメロ)という柑橘系果物でした。出会いの場は、友人の家で行なわれた新年会。フルーツ皿に盛られたその果肉は、遠目には薄い黄色の大きな数の子のように見えましたが、近づいて見ると、柑橘類の果肉でした。
切り分ける前の果物の原型は、まさに巨大なグレープフルーツ。バンクーバーに移住して6年経ったのに、こんな巨大な果物は初めてでした。
外皮も薄皮もむきやすく、厚い皮から実を外し、薄皮を剥いでも実はしっかりしているので、手で掴んでも食べられるのです。
それを口の中に入れると、実はプリプリしてジューシー、ほどよい甘さで、グレープフルーツのような苦みはなく、酸味も強すぎないので、いくらでも食べられそう。
ふつう大きすぎる果物は、大味なものが多いのですが、この果物、見かけによらず、止メラレナイ止ラナイ美味しさ、嬉しい誤算でした。「これはどこで買えるの?」とたずねてみると、「中国系の八百屋さんならどこでも売っているわよ」との答え。
早速、翌日アパート近くにある中国系の八百屋さんに行ってみると、ありました大きなのが! 2個買って、ひとつは自家用、もうひとつは友人へのお土産にしました。
ふたつに切り分けて……
できあがり翌日友人宅へ持参したところ、バンクーバー在住30数年の方はご存知でしたが、在住17年の方はご存じなく、「この果物、初めて! 止められなくなるわね」と、透きとおるような果肉をおいしそうに口に運んでいました。
この不思議な果物はいったい何なのでしょう? ネットで「巨大なグレープフルーツ」とググる(笑)と、「晩白柚」(バンペイユ)の説明が写真とともに出てきました。原産地はマレー半島、日本では台湾経由で熊本の八代に渡り、今では熊本県の代表的な特産品となり贈答用として人気があるそうです。
私が買った果物のラベルを見ると、「Honey Pomelo」という文字とパンダの絵がかかれていて、産地はカリフォルニア。見た目は「晩白柚」とそっくりですが。ハニーポメロと晩白柚は同じものなのでしょうか?
また、さらに説明を読むと、晩白柚は文旦類の柑橘、文旦は大きいみかんのような柑橘類の総称で英語では「Pomelo」(ポメロ)というのだそうです。
リンゴと比べても大きさがわかります次に「ハニーポメロ」で検索すると、グレープフルーツと文旦を交配してできた果物だとか。この果物たちのキーワードは「グレープフルーツ」と「文旦」、故に晩白柚をハニーポメロはほとんど同果物だと理解できました。
結局、私が食べた果物は、ルーツはマレー半島、生まれはアメリカ、そしてカナダに移民してきた品種改良の文旦(ブンタン)だったのです。
ちなみにお値段は、大きいのが約2ドル(約160円)。日本では幻の果物というふれこみの高級品が、嬉しいことにここでは庶民でも買える果物になっていました。おかげで私はこの冬、魅力的な果物、ハニーポメロにハマっています。