【魅惑的な世界の山々】巡礼者のパワースポットは山岳地帯


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義理の兄が、オーストリア最古の電化鉄道で有名なマリアツェル鉄道の運転手をしていた関係でよくマリアツェルへ行きました。ウィーンからサンクト・ペルテンへ。そこから南下して山岳地帯へ入り、21のトンネル、75カ所の鉄橋と高架線をどんどん進みます。ピーラッハ渓谷を通過して、エッチャー山のパノラマが開けるとパワースポットにもなっている「巡礼地マリアツェルへ到着します。何しろカトリック教徒の巡礼の町としても有名な場所なので、夏休みはヨーロッパから信者が多く訪ねる所でもあり、混んでいます。毎年、8月15日がマリアさまの昇天された日で祭日なので特に巡礼者が増えるのです。ボヘミアやハンガリーの王侯が多く、特にオーストリアのハプスブルク家にとって重要な教会として位置付けられていました。また、ハプスブルグ家の結婚式がこの教会で行われ、女帝マリア・テレジアが初の聖体(6−7歳で受ける信者の儀式)を受けたのもこの教会と言われています。

ウィーンから片道120キロほどのシユタイヤマーク州に位置するマリアツェルには素晴らしい山々を見ることができます。私はそんなに登山は得意ではないのでもっぱら景色をながめて楽しむ派。巡礼者のための場所であり、冬のスキーヤーのための場所であり、なかなか人気の行楽地です。ウィーンから簡単に日帰りもできる位置にあるので、週末の山歩きで利用する家族も多いのです。

これらの山々はカトリックの名前がつけられていて、パワースポットにもなっています。たとえをあげると、ヨアヒムスベルグ。これはマリアさまのおじいさんの名前ヨアヒムから命名されています。そしてヨーゼフスベルグ。マリアさまの夫の名前です。つまりキリストのお父さんの名前ですね。私のお気に入りであるアンナベルグはマリアさまのお母さんの名前から来ています。
だからマリアさまにちなんでマリアツェル(マリアさまの部屋)ですが、ビュルゲンアルペは標高1266メートルでエンス流域の源流にあり Hochschwab(ホッホシュヴァーブ)の雪山の綺麗な水と一緒にウィーンに流れるので、ウィーン市民はとてもいい水を普通に水道水から飲んでいるのです。山の恩恵を未だに受けて暮らしているわけです。


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