8千メートル級の山々を連ねて、インド、ネパールなど5ヶ国にまたがる世界一のヒマラヤ山脈。登山は無理としても、誰しも一度は近くから見てみたいと思うでしょう。2年前にダージリンに行ったときに雨に降られて、近くのヒマラヤが見えませんでしたが、今回はネパールから再び試みることになりました。
朝3時半、真っ暗な中、ヒマラヤ山脈から登る朝日を見るためカトマンズ市内のホテルから目をこすりながらガイドを兼ねた運転手の車に乗り込みます。10月でも寒い標高1400mのカトマンズの夜 。ポットに入れた熱いコーヒーとビスケットをかじりながら車に揺られ、標高差700mの街灯もほとんどない山道を登ります。しかも霧が出てきました。目的地のナガルコットまでは距離的にはカトマンズから東に約35kmほどですが、海抜2100mもあるので1時間半以上かかりました。ナガルコットの丘からは東にエベレスト、西にマナスルまで東西200キロのヒマラヤの峰を臨むことができるので、カトマンズ近くの一番人気のヒマラヤのビュー・ポイントで有名です。そこの人気ホテル、クラブヒマラヤには宿泊しませんでした」が、とても親切なガイドの計らいで、ホテルのテラスからヒマラヤのご来光を拝めることができました。さすがにホテルのレストランはまだオープンしていませんでしたが宿泊客と思われる人々がテラスに大勢出てきて、場所取りも難しいほどです。
まだ暗い6時前からカメラを持ってテラスで待ち構えていたのですが、あいにく深い霧が一面を覆って回りが良く見えません。ヒマラヤは拝めるのかと心配していると、東の空が少しづつ赤く染まり出してきました。やがて赤い朝日にヒマラヤの山々がシルエットとして浮かびあがってきました。霧が深くなければ標高8848mのエベレストも見えただろうにと、とても残念です。
やがて朝日が昇りおえると西の方には霧に霞んだ標高8163mのマナスルに朝日が当たっているのが見えてきました。霧が少し引いたのですがヒマラヤの全貌はまだ霞んでいます。そして集まった人々はため息とともに、重い足取りでホテルに引き上げて行きました。
興奮冷め止まぬまま、ホテルのレストランで朝ご飯と熱いコーヒーでゆっくりと過ごしたものの、どうやら霧はこれ以上に晴れそうにもないようです。ダージリンの時も悪天候のためにヒマラヤツアーを断念しましたが、今回のネパールも?
それでも、何とかご来光を拝めたし満足して帰途につきました。ナガルコットから下ると、麓の村は霧がすっかり晴れて美しい山村の姿を現しています。今度ヒマラヤを眺められるのは何時、何処からかな?などと思いながら心地よい車の揺れを感じながらいつしか深い眠りについていたのでした。